またもや間が空いてしまいました。スペルカード編となります。
クリーチャーやアイテムと同じく、妨害よりも自分が儲けることを考えましょう。このゲームの勝利条件は敵の撃破ではありません、目標魔力の達成と城への帰還です。
そして、運要素の削減と制御もスペルの重要な役割です。先に言ってしまうとダイス目とドローのことですね。
ではどんなスペルが己の利得につながるのか。そして「運負け」をゼロに近づけるには。
移動用スペルは必須! ダイス目の支配はカルドセプトの王道
このゲームで最も回避すべきはやはり、敵の高額拠点を踏んで大金を支払うことでしょう。
総魔力が激減するだけでもとんだ損害ですが、懐を潤わせて更なる投資を許してしまうのが本当にまずい。
多額の通行料の献上は相手に勝利を掴ませることを意味すると、そう言って過言ではありません。
最悪の事態を避けるためにも、移動用スペル*1は多めに投入しましょう。倒せないなら踏まなければいいのです。
ホーリーワード8はとりあえず4枚積んで構いません。揃っていないならばホーリーワード6で代用しましょう。8を4枚に加えて6を入れても良いです。
他にはヘイスト、フライ、リコールなど。マップ相性に左右されやすいですがテレポートも優秀です。
半端にお邪魔カードを入れるくらいならば足スペルに枠を割きましょう。拠点の回避だけでなく取りたい土地の確保にも役立ちます。ダイスの目を大きくすれば周回ボーナスを貰う機会も増える、ということもお忘れなく。
このゲームの主たる運要素は1ラウンドに必ず1回降るダイスです。これをコントロールできるカードが弱いわけがありません。悪運を遠ざけて堅実な勝利を引き寄せましょう。
ホーリーワード8を4枚に加えてヘイストやリコール等を5~8枚、合わせて9~12枚を足スペルに当てると良いと思われます。
ただしマップによって有用性が左右される*2ので、その都度種類や枚数を調整しましょう。
一般的なカードゲームと比べればドローソースは弱め……でも不要なわけはない
手札が最大6枚まで、1ラウンドに使えるカードが少ない、ドロースペルでも魔力を消耗する、などの理由により、一般的なTCGと比べると「カードを引くためのカード」があまり強くありません。
山札を漁ってキーカードを手繰り寄せ一気に勝負をつける……なんてことがやりにくい。
とは言うものの、必要なときに求められるカードが手札にあれば理想的です。幸運な状態に近づくためにもドローソースはある程度組み込んでおきましょう。
序盤に全然クリーチャーがこない、戦闘が激化しているのに防衛アイテムがない、などといった窮地を打開するにはドローの質と速度を高めなければいけない。ドロースペルは最適な答えの実行を助けます。
オススメなのがバイタリティやウィークネスといったワンドロー付きのスペル。
新たなカードを手にしつつ何らかの効果をもたらせるため無駄になりにくい。ピースやリフレクションやクイックサンドを剥がしつつブックの循環も早められる、一石二鳥とはこのこと。
コストの安さも見逃せないメリットです。ドロー目当ての場合と、より明確な利益のために使う場合とを判断する癖をつけると、盤面を見渡す力を培えると思います。
40ラウンドで引けるのは初期手札と合わせて44枚。あと6枚引けばブックを1周させられます。50枚全て活用しきって決着する試合は、まあ実際のところ滅多に無いのですが、ドロー量の目安としましょう。
余談 フェイトとブラスアイドルとリバイバル
領地能力および遺産で1枚引ける*3フェイトは配置コストが40Gと安くステータスもそこそこあるため、属性を問わずにバラ撒きを兼ねてドローソースとして採用してもよいでしょう。
ブラスアイドルの効果は強烈ですが、すべてのセプターに適用されるため敵に塩を送ってしまいやすいのが難点。手札消費が異常に激しい、あるいはキーカードを素早く入手しないと話にならないような戦略*4でなければオススメしかねます。
カードを引くカードとは少し違いますが、リバイバルについて軽く解説します。
結論から言えば、とりあえず入れるようなものとは程遠いです。70Gを消費して「今必要なカード」を引きにくくするスペルです。
山札切れで負けることもない、そもそも50枚崩せばまた復活するので、ホープやファインドでガンガンブックを回した方が資産が豊富になりやすい。
ただし特定のカードをリフォームされると負けがほぼ決定するような構成ならば保険として組み込むことを推奨します。ドロー速度を早める手段と併用しましょう。
収入系スペル――腐りにくいカードといえばやはり「マナ」
足とドローの次に重要なのは収入系スペルです。所持金が増えればレベルアップやクリーチャー配置がより迅速かつ頻繁にこなせるようになり、総魔力も素早く溜まりやすくなります。アイテム代が支払えず土地を明け渡してしまった……という悲劇も防止可能です。
代名詞かつ最もシンプル、そして全カード中でも最も無駄になりにくいものといえば、やはり「マナ」に他なりません。消費Gが0なのでいかに貧乏でも使える点も見逃せない。
インシネレートやフィーストほどの一攫千金は狙いにくいですが、常に安定した収入を得られるのは心強い。初期ブックにに絶対に2枚は入っているので、もしブックから外して久しいならば再び加えてみてはいかがでしょうか。
また、ドレインマジックは魔力をめぐるゲームバランスの支配者です。妨害と収入が一体になった超強力なスペルであるため、構築に迷ったならとりあえず2枚は投入してもいいくらい。詳しくは過去の記事をご参照ください。
しばしば話題となるマジックブーストですが、タイミングが合えば膨大な総魔力を得られることは疑いの予知もありません。大逆転にも即効逃げ切りにも極めて有用。尋常でない収入量に比べて60Gというコストが小さすぎるのは間違いありません。
しかしながらそれ故にシャッターやセフトの的になりやすく、また序盤からダントツになれば周囲から睨まれること間違い無し。事実上の1 VS 3も招きやすい。
切り札が一転して敵への高レベル土地献上カードになっては冗談にもなりません。また移動系スペルとは併用できず、ホーリーワード1をこっそり内蔵しているとネタにされることも。
やたらネガティブな側面を列挙してしまいましたが、これらは今作屈指の超性能だからこその欠点です。総魔力を跳ね上げるスペルとしてはずば抜けています。
速攻逃げ切りを狙うタイプのブックとの相性は抜群。跳ね上がる資産に魅入られたならば、堅牢な拠点づくりと短期決戦を目指しましょう。
利益にならないお邪魔スペルは弱い 被害を未然に防ぐための妨害スペルが無難
嫌がらせスペルは漁夫の利を与えやすいです。誰か1人が損をすると相対的に他の3人が有利になります。
実戦では状況によるのですが、カードと魔力を消費していないだけ妨害した張本人を除く2人の方がより得をしていると言えます。
「自分の代わりにあいつの邪魔をしてくれてありがとう」
こんな心境になっていることでしょう。1人の足を引っ張れば、残りの敵には貢献してしまっているのです。
いくら誰かが損をしようとも、己の利益に変換されなければ勝利には近づけません。敵をやっつけるゲームではないのですから。
勝ちにつながりやすい妨害行為とは、それによって損益を予防できるものを指します。
シャッターやスクイーズなどの手札破壊が最たる例です。得に前者は使ってほしくないスペルやアイテムを破壊できる上に、たったの30G。何よりブラックスミスやスクイーズと違って一切の利益を与えません。
「自分にとって一番不都合な」カードを割ってしまいましょう。
他には上述したワンドロー付き*5のディジーズやウィークネスなども、低価格も相まって良好です。
またバインドミストは拠点を落とすだけでなく、領地能力や応援、アイドルの全体を封じることも可能。コストも40Gと控えめなので、不利益のみを与えるカードの中では上位に位置します。
80Gとやや値が張るものの、危険なクリーチャーを害の小さな防御型に変えてしまえるターンウォールも、資産を守る効果が高いといえます。
逆に扱いが難しい……つまり総魔力の増加や維持に結びつきにくいスペルの代表格は、イビルブラストでしょう。
拠点を守るナイキーやアンダインをとりあえず倒したところで、他の誰かに横取りされては仕方がありません。連鎖を切るためになんとなく撃つなんてのも、切羽詰まった状況でないかぎりは浪費に等しい。なによりコストが100Gと重い。
初期ブックに入っているマジックボルトよりも高火力なだけに魅力的に見えますが、資産を増やすという点においては弱いとさえいえます。仮想敵*6を定め、その上で本当に必要かどうか再考してください((同盟戦ではウィッチやブックワームが凶悪な性能を誇るため、これらを焼き殺せるイビルブラストはとても有用。というか相手チームの損が自チームの得になるため妨害カードの地位が上がる。))。
他にはウェイストやトーチャーやスロウなども、誰かの敗北には繋げられても己の勝利には貢献させにくいスペルです。また200G+手札1枚のメテオも取り扱いが難しい。
邪魔するだけかつ高額なカードは基本的には「弱い」のだと、認識しておきましょう。場面場面*7でクリティカルに刺さりはしますが。
土地属性変化スペルはマナやホーリーワードなどでも代用可能
アップヒーバル(及び各属性版)やクインテッセンス、インフルエンスといった土地の属性を変化させるスペルですが、連鎖を増やす目的においては必須とまではいきません。
少し高くなるとはいえ領地コマンドでも地変は可能で、その分の魔力をマナなりトライアンフなりで補充する選択肢もあります。好みの土地がほしいならホーリーワードでそこに止まればいい。〇〇リープやエスケープも存在します。
ただし
- 属性変化とレベルアップやクリーチャー入れ替えを同ラウンドでこなせる
- 敵の領地に使って連鎖を切ったり地形効果を無くしたりする
- 高レベルの土地をより安く変えられる
といった、地変スペルならではの利点も勿論あるため、色々試してみるといいかなと思います。
この中でオススメなのがクインテッセンス。レベル4までが範囲なので奪った敵拠点にもかけやすく、撃てさえすれば確実に連鎖が切れるため時間稼ぎもしやすい。
同時に通行料も下がるため、踏んでしまったときの被害を軽減することもできます。
連鎖を増やすにはもう一手間かかってしまいますが、それでも直接領地コマンドを使用するよりも安く済みます。これでいて価格は60Gとそこそこ。
コンジャラー、ドリアード、ホーリーラマなど、クリーチャーには連鎖確保に適したものがいる*8ため、それらとも照らし合わせつつ組み込むかどうか考えましょう。
防衛のための単体呪い――ピースは土地と魔力のやり取りを停止させる
オススメスペルのひとつがピースです。土地での戦闘を不可能にする代わりに通行料を取れなくする呪いなのですが、これは(その土地での)総魔力の移行をストップさせるに等しいです。
ゲームの掟に真っ向から反逆している……と書いたら少し言いすぎかもしれませんが。
連鎖を維持するに良し、敵の拠点にかけてしまうも良し、マヒやシニリティを消すのに良し、と使いどころは多いです。
これを入れる分アイテムを節約することもできます。チェーンやバロックや二心といった戦闘多発マップではとりわけ有用なので、試しに採用してみてはいかがでしょうか*9。
クリーチャーを守る土地呪いにはこの他にバイタリティ、リフレクション、ランドプロテクトなどがあります。
バイタリティは低コストかつワンドロー付き、特に先制持ちにかけるとより活かせます。
リフレクションは通常攻撃に対してはほぼ無敵となり、元々巻物攻撃には強い援護や高HPにかけることで隙をなくせます。ただしルナティックヘアやブラックオーブにはご注意を。
ランドプロテクトは戦闘ではなく盤面で防御するスペルです。テレキネシス、メテオ、シニリティなどをシャットアウトするので拠点にかけたいところ。ハイドやスピットコブラの呪いも防げますが、全体を対象とする場合には無力です。
いずれにしても(ランドプロテクトを除き)他の単体呪いに上書きされ、クリーチャーを引っ込めたら効果は切れるので過信は禁物です。
便利で有用な強いカードとは「いつ使っても自分の利益になるカード」である
ストックできる手札にも、1ラウンドにも消費できるカードにも限りがあるため、消費できなければドンドン無駄に捨てることになります。
引いたカードを次から次へと儲けにするのが理想です。小見出しの通り、状況にあまり左右されず利益を得られるカードこそ、このゲームにおける強カードなのです。
クリーチャーやアイテムと比べてスペルは個性豊かで分類も多岐にわたるため、話すネタはまだまだありそうなんですが、欠いてはならないのはこういったところだと思います。
対戦相手が使っていたカードを今度は自分が使ってみると、多くの発見があるかなと。
スペルに限らず、このカードをどうやって自分の総魔力に還元するか、つまり収入にするか、を意識してください。勝利条件は目標魔力の達成と城への帰還です。
クリーチャー編
アイテム編
*1:通称「足スペル」「足」
*2:例えばジャンクションでのリコールは非常に強力だが、まがたまではさほどでもない。
*3:40Gで1枚とファインドの2倍のお値段になってしまいますが
*4:ゴブリンブックやアレスデコイブックなど
*5:カードゲーム用語では「キャントリップ」と呼ぶようです
*6:具体的に倒したいクリーチャー
*7:このままだと1位に勝ち逃げされそうなとき等
*8:水には1種類もいない。水属性にコンジャラーが出張していたり、シンクが比較的大事なのはこれが理由。
*9:全国大会優勝者も3枚ブックに入れています。決勝戦の舞台は土地の奪い合いが激しいチェーン。ストーンウォールにかけることで、パウダーイーターの侵攻を見事に食い止めていました。