ハコボーイ! ※音が出ます
HAL研製作のアクションパズルということで購入してエンディングまでいきました。程よく頭を使って先に進むって、やっぱりいいものですね。
主人公のキュービィ*1に出来るアクションは、移動とジャンプ以外には「ハコを出す」「ハコをしまう」「ハコを投げる」くらいです。踏み台にしたり、スイッチを押したり……。箱を使ったアクションと言われてパッと思い浮かぶのはこの辺りでしょう。
しかし、このゲームはそれだけに留まりません。レーザーを防いだり、フックにして崖に引っ掛けたり、細い道をすり抜けたり……。これらはほんの一例です。ステージギミックと組み合わせることで、ハコを用いた簡素なアクションが多種多様な謎解きへと昇華します。基本操作のシンプルさのおかげで、長考することはあっても頭がこんがらがることは殆どなく、心地良く頭を使えましたね。
遊んでいて上手いと思ったのが、新ギミックを「基礎→応用→旧ギミックとの複合」の順に攻略させ、解法を自然に学ばせる構成になっていること。そしてこれが1ワールド単位と1ステージ単位との両方で行われている。各ワールドの最初のステージは新ギミックの基礎を覚えるためのものとなっていて*2、3~4回くらいパズルを解くことになるのですが、それが少しずつ捻ったものになっていくんですよ。
これは今のところ言葉で説明するのが難しいんですが、押し付けがましいとも説明不足だとも全く感じさせず、テンポよくテクニックや解法を覚えていけました。プレイヤーに上達を感じさせるための技巧が凝らされています。
また、しょっちゅう使うことになる「ハコフック」と「ハコスネーク」がそれぞれワールド4と5で題材となっているのですが、このふたつには「本体から伸ばしたハコで移動する」という共通点があります。類似したテクニックを比較的早期かつ近いタイミングで覚えられるようなワールド配置が、基本的ながらよく出来ているものだと思いました。
序盤は難易度がかなり低く、ステージ内の王冠も余裕で取得できました。ワールド6からはアクション要素が増えるものの、それでも大して難しくはなかったです。が、終盤ワールドは流石に難しく、先には行けるけど王冠の取り方がわからない、王冠は取れるけど先に行けない……と、だいぶ頭を捻ることになりました。それだけにクリアできたときの喜びもひとしおです。
ヒントはゲームコインを1枚使うことでもらえるのですが、結局一度も使っていません。それにしてもずいぶんと安い。
用いられている色はその殆どが白と黒で、たまに赤が混じるくらい。そんな極めてシンプルなものですが、単調さはさほど感じず、むしろ試行錯誤の邪魔にならずに助かっています。主役のキュービィはカービィよりも更に簡潔なデザインをしているのですけれど、動かしているうちに可愛く見えてくるから不思議です。静止時に色々なポーズをとるのが微笑ましい。
BGMはどれも静かで音の数が少ないのですけれど、それは曲の不出来を意味するものでは断じてありません。むしろ、白と黒と四角ばかり構築されているゲーム世界によく合っています。まだじっくりとは聞いていませんけれど、最終ワールドの曲は頭の回転を阻害しない程度に格好良かったです。グラフィックもそうですが、謎解きに差し障らない程度に自己主張をしているのが、ゲーム性に合っていて良いですね。
まだおまけワールドとタイムアタックやチャレンジが残っていますが、現時点で680円以上に楽しめています。シンプルな題材のシンプルさはそのままにバリエーション豊かなゲームを創りあげているところが、真に星のカービィシリーズのHAL研究所らしい。
2月26日追記:クイックリトライについて
プレイする上で最も活用したありがたい機能です。ステージ攻略中にL+Rを押せば、いつでもどこでも少し前のポイントからやり直すことができます。*3使用したハコの数もリセットされ、仕掛けの配置も元通りになるので、ちょっと時間を巻き戻すような感覚です。
これの優れているところは、通常ステージの攻略においては使用する上でのペナルティも制限も存在しないこと。「あ、詰まったな」と思ってやり直すのは勿論のこと、王冠取得のためにハコの数を節約するのにも役立ちます。
長ったらしい演出もなく、1秒もかからずに終わるため、本当に気軽に使うことが可能です。この機能により、トライアル・アンド・エラーを全く躊躇せず、臆せず行えました。
ちなみに何度ミスしてもペナルティは一切なく、クイックリトライ同様に直前まで戻されるだけです。なので、通常ステージの攻略に関しては、「もし失敗したら……」という心配とは無縁です。プレイヤーが気兼ねなく何度でも挑戦できるようなゲームシステムが出来上がっていると言えるでしょう。
読んでいただきありがとうございました。