冒頭2話はアプリ不要かつ無料で読めます。
紙の本ならやはり特装版がオススメ。
あかりたちの青春はまだ始まったばかりなんだ! 歳納京子に肩を抱かれて赤面する綾乃ちゃんは安心感の象徴となりつつある。
各エピソードごとにザックリと書いています。
カラーイラストのアリスあかりが早速かわいい。おとぎの国からはるばると。
99 なんでやね~ん!
「ロケットずつき」という技のチョイスが渋い。初代にはわざマシンがあったんですよね。結衣なら1ターンで繰り出せそうな気がする。
綾乃になりきると言っておきながら実物には絶対にできそうにない誘惑を披露していて、京子はどうしても自分の色が出てしまうんだなあと。見つめ合うシーンでコマが大きくなるのは千歳ビジョンのせい。
最後の千歳の「なんでやねん!!」の表情がガチ。無理にキャラを作ろうとせず自然体が一番ってことで。
100 明日への脱出大作戦
あかりを励まそうと奮闘していていい子だな……と思ったら白骨化妄想をしてしまう至らなさが櫻子らしい。こいつからもあかりのお団子は独立部位と認識されているのか。
向日葵に文句を言いつつも笑顔で涙ぐんでいる櫻子は2人の関係を端的に象徴していますね。
頑張るもののまだ頼りない櫻子をあかりと向日葵を通して描いている回だと思います。座り込んで時計を見上げるあかりと櫻子が手を重ねているのも印象的。友情の延長にあるゆるい百合。
101 やっぱりだめ?
「絵のモデル」で「妙なこと」ときて「服も脱がされ」とまで連想する西垣先生の方が「ガチ」なのでは。見つめ合いで頬を赤らめていたしね。
でも高校時代に「西垣さん」呼びだったのに現在は「奈々」と呼び捨てにしている東先生の方がアプローチはしているのか。つまり効果があったということですね。大人組の芳しく甘い百合はゆるさ控えめ。
「にらめっこ」の下りとひとつ前の話との対比で、櫻子と向日葵の密着っぷりを間接的に描写しているよう。サブキャラを中心にすることでメインキャラにも深みが増していく。
102 もらえるよっ!
1ページ目にあかりが選ぼうとしたのはやっぱりうすしおチップスなのでしょうか。
表情から察するにあかりだけは「食べる」が何を指すかわかってなさそう。お姉ちゃんのヤバい領域に感づくことは当分なさそう。
ちなつの妄想ビジョンでのまりちゃんにマジで吹き出した。まりちゃんにも「食べられ」たいのか……。
まりちゃんのしょっぱい顔が切ない……夢を捨てるには早過ぎる歳だというのに……でも京子のおかげで笑顔は取り戻せた、良かった良かった。こいつただの主人公じゃないのか。
普段から(主に結衣の)ツッコミ前提でボケていて、誰かを楽しませるのが好きな子なんでしょうね。
ミラクるんのテレビCM、注文ボタンを押したがるあかり、おもちゃに満面の笑みとなるまりちゃんと、子どもがファミレスに感じるワクワクを大切にしたエピソードでした。
103 キライ? それとも…フツー?
超照れ屋な綾乃ちゃんの裏表発言でゆりんゆりん。歳納京子を嫌いになるとか絶対にない」と直接聞いたときの笑顔には、普段のおとぼけにはない安堵と嬉しさが詰まっていることでしょう。
悲劇耐性が一番低いのは歳納京子だろうなあ。やっぱり明るく脳天気な雰囲気のためのボケキャラを演じているんじゃなかろうか。ゆるゆりじゃなかったら悪堕ち闇堕ちしているタイプ。
ゆるゆりだから三角関係四角関係でドロドロにはならないけど、ゆるゆりだから綾乃と京子がガチに結ばれることもないという。サザエさん時空の功罪である。
104 京子と結衣
原点に立ち返った京子と結衣の回。
なんでミラクるんのグッズが、と疑問符を浮かべていたらそういうことですか。2人きりの頃からずーっとこんな感じだったという。永遠はここにあるんじゃないかな。
実物と乖離した結衣王子を脳内の豪邸に住まわせる後輩ができるとは、まだ知る由もなかった。
105 DEAD FISH EYES
死んだ魚の眼でスタイリッシュに「ウホ」はズルいっすよ結衣先輩。「今日はお茶がないね」の一言からおびただしい絶望感が放たれている。
27時間のセーブデータを消されて「最初からやり直そうと思ってたから大丈夫」で流す京子がやっぱりただのイケメン主人公すぎる。しかもRPGだからね。あのゲーム、「上書きしますがよろしいですか?」とか出ないのか。結構古いゲームなのかな。
一番親交が深いと思われる相手が謝罪対象に選ばれているんですよね。ちなつは怯えている一方であかりがボロボロ泣いていて、自分が嫌われるのと相手を落胆させるのと、どちらをより恐れているのかが対比されているのでしょうか。
で、京子だけはあかりが寝ぼけて送ったスタンプにドン引きしていたという。京子にはなんのミスもないという変化球でマンネリ化させず、そしてこんなちょっとしたことでも謝るあかりの天使っぷりが際立っている。
あとあかりの就寝時間はやっぱり早いな。
106 バルーンファイッ!
タイトルはアイスクライマーやマリオブラザーズと並ぶ友情破壊ゲームから。あれと違って楓ちゃんの風船を割らないようにファイトしております。
激しく動きまわった末の「ポスン」で膨れ上がる脱力感は、効果音も台詞も省かれていたからこそ。静が音で、動が無音で切り替わるシュールさよ。
風船ひとつのために全力を尽くす結衣がやたら凛々しいんですけど、この場にちなつがいたら果たしてどうなっていたことやら。あとこんなときは運動神経抜群な櫻子の手を借りたくなる。
107 SM(それ・もうちょっと考えよう)
さり気なく千鶴に友だちができたと明かされていますね。クールキャラに縛られてまだ仏頂面のまま内心で喜んでいる千鶴の姿が浮かぶよう。でも向日葵からはSっぽいと認識されている。道は長い。サブキャラを直接出さずに描いているんですよね。
SM(それ・もうちょっと考えよう)が示す通り、櫻子の無能な働き者っぷりが遺憾なく発揮されてしまうお話。櫻子にごまかせると思ったり京子たちの誤解を解く前に生徒会室にダッシュしたりする向日葵はピンチに弱いタイプでしょうか。ちょいとお固いところのある性格が出ているというか。
108 ごらく部新時代
ワールドワイドなスーパースターのニンジャになりきるお話。「もしごらく部が存続できなくなったら」ではじめて(名目上)ごらく部を取り締まりに来ている綾乃で終えるというシンプルながらも安心の構成。
初期に影が薄いと散々ネタにされたあかりに分身の術を披露させるという高度なあかりいじり。本命(?)の隠れ身の術はキャラの定着に時間の掛かったちなつが用いるところまで含めて皮肉が効いているように見えるのは気のせいでしょうか。
ごっこ遊びでも油断した相手を仕留めにいく結衣は、やっぱ負けず嫌いのゲーマーなんだなって。
特典小冊子
教師陣のプロフィール集。設定だけでなく1P漫画が4点掲載されております。ショートコメントからも百合の香りが上品に漂ってくるのはさすが。
あとがきの1話~12話はアニメ3期「ゆるゆり さん☆ハイ!」のお気に入りシーン集とのこと。3期はやっぱりゆるそうでゆるくない少しゆるい百合でしたね。
あとアンケートハガキ出させる気ないでしょこれ。いつものことながら出版に便乗した小ネタ発表会になってる。よいぞ。