「ローゼンメイデン0―ゼロ―」第4階(ウルトラジャンプ2016年7月号)感想 鏡写しの姉妹たち

 2ヶ月ぶりのローゼンメイデンゼロです。今回は電子書籍で買いました。

ウルトラジャンプ 2016年 07 月号 [雑誌]

ウルトラジャンプ 2016年7月号 (kindle)

ダンガールは過去を捨てたい?

 空から落ちてきた華は姉の菊と再会を果たします。ひとまず無事でよかったよかった、でも華はお国言葉丸出しの菊を恥ずかしいと言ってどうも迷惑そう。

 自分は花の帝都で1人立ちした職業婦人だと、もう家族も田舎も関係ないと、いつまでも子ども扱いするなと菊に訴えます……方言混じりで。超動揺してますね。

 モガキャラも急ごしらえというか、昂ぶると地が出てしまうようです。基本的にはオシャレで優秀な昇降機ガールなんでしょうが、どうも心に迷いがあるような。

 お国言葉を封印しなくなったら人と喋れるようになり、それでもまだ鈍くさい菊とは対照的です。まるで鏡に映された半身のよう。

 

 そもそも、どうして華が帝都に憧れ田舎を飛び出したのか。

 最初から田舎を嫌っていたわけではありません。確かに帝都には勤めてみたいけれど、幼なじみの正雄ちゃんのお嫁さんになり、このまま田舎で暮らすのも悪く無い。いつでも優しい姉ちゃんもいる。

 もし高い木から真っ逆さまに落ちても誰かが手を差し伸べてくれる、華やかではなくても故郷で生きていくのも良いかなと、そう思っていました。

 

 正雄の想い人が菊姉ちゃんだと、彼の口から告げられるまでは。

 

 このまま2人の顔を見るのは辛すぎる。過去なんて捨てて、お国の言葉もハイカラに塗り潰して、全部やり直せたらいいなと、すがるかのように帝都に飛び出したようです。姉や両親にも便りを送らず、洒落た会話遊びもこなす「華のモダンガール」として生きいたのでした。

 

 あのまま田舎に残っていても胃が痛い毎日を送るはめになるでしょうしなあ……。べっぴんさんだと噂されるような、狭いといえば狭いご近所さん付き合いだったそうだし。

 田舎の距離の近い温かな人間関係は、反転すれば閉鎖的な呪縛になる、HeartfulがHurtfulに早変わり。ましてや恋愛沙汰で要因が姉にあるとすれば……。

 そこまで悪化する前に都会に出たのは、選択としてはありでしょうけども、なにかしこりが残るような。菊姉ちゃん優しいもん。当の華が田舎はもう嫌と言ってる側から、幼少期の妹自慢を朗らかな笑顔でしてのける気の回らなさはありますが。

 

 木の件に由来する高所への恐怖を抱えつつも、デタラメな夢さえも楽しんでしまうモダンな昇降機ガールとして上手くやってきてはいたんですよね。才色兼備の乙女には違いないでしょう。

 その原動力が過去を払拭したいという焦りや逃避であったとしても、何かを身につけものにする能力は高いんだと思います。

 

 年子の姉から逃げるようにも見える華の元に蒼星石が届いたのは、運命の輪の気まぐれではなく必然なのかもしれません。彼女は鞄で寝ているんですね。

 

スィドリーム

 蒼星石の双子の姉である翠星石はというと、12階で動かなくなってしまいました。

 この12階から双眼鏡で覗くと「nのフィールド」が見えるそうです。底に真紅がいると伝える直前に倒れるのはお約束。

 菊は当然心配し、翠星石を起こそうと全力を尽くします。ゼンマイを撒いても、耳元で歌っても、呪いを解こうと御札を貼っても目覚めない。

 つーか翠星石を物の怪だと思ってたんかい。ローゼンメイデンははじめから命ある人形として生み出されたので付喪神とは違うのですよ。

 久々に会えた妹に辛辣な言葉を投げつけられた心境を翠星石の前で吐露しますが、もちろん返事はなし。その翠星石も(おそらく)後に妹から「宣戦布告」とでも言うべきセリフを突きつけられるんですよね。奇妙で冷笑的な因果を感じる。

 

 菊がため息混じりでビードロ(「ぽぴん」「ポッペン」という玩具らしい)を吹いていると、そこにチカチカと光る虫っぽいものが。もう蛍の季節なのん……いや違いますよ。

 これまでどこに行っていたのか、翠星石人工精霊スィドリームです。翠星石も目を覚ましました。2004年のアニメの7話を思い出す。

 田舎育ちをナメんじゃねえべさとぽぴんを振り回して応戦していたら案の定落として割れてしまいました。人工精霊を知らないとガラスの割れた音で起きたと錯覚するでしょう。

 さて、翠星石が見ていた夢の内容とは……あれ。

 鞄で寝なくてもいいのか? ただの夢じゃなさそうだし、夢を「見せてきた」何者かが居るのか? スィドリームがドンピシャなタイミングで戻ってきたこともあり、何かありそうです。

 

「向こう側」が見せるもの

 華が向こう側で行方不明になっている間に過ぎた時間は2日ですか。理不尽ですがまあ怒られますよね。ロッカーからはおみやげの傘が。夢だけど、夢じゃない。

 さて結菱家のお坊ちゃんは、華に興味津々……否。「華が見たという紅の少女人形」に釘付けになっています。華さん大丈夫、変なとこ触ったりしてませんよ、アイツ興味ねえから。

 定員8人分の銭を払ったから文句はないだろとばかりの態度がいっそ清々しい。金にもさして執着はなさそうですが、使えるもんは使う主義っぽい。

 坊ちゃんは「向こう側」こと「nのフィールド」に行きたがっているようですが、13階への門は開かれず。ここの昇降機のカットは緊迫感ありますね。

 坊ちゃんを追いやった因果応報か、突然のゴワス軍団に押されて華は1階へ。失礼するなら自分らの体格考えてくれちゃんこ。

 力士ラッシュの直後に鞄が置かれる蒼星石、なんというか、タイミングに恵まれないというか。レンピカくんさ、もうちょっと華やかなり厳かなりな登場をさせましょうよ。

 

 nのフィールド絡みで外せないのは、華の見た折れた遥雲閣が未来の光景らしいということ。もし昇降機にいるときにそんなことになったら……。

 大正の帝都で建造物の倒壊するような惨劇といえば……関東大震災に他ならぬでしょう。

 ローゼンメイデンは世界を救うような話ではないし、薔薇乙女にそんな力はもとよりありません。菊や華があの未来を避けることは叶わないとみて間違いない。これまでの思いを「ゼロ」にしてしまうような試練になるかもしれません。

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