クレセント クローゼット

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魔神少女 最高難易度ともうひとりの主人公

 

魔神少女 オフィシャルアートブック

魔神少女オフィシャルアンソロジー

前回の続き

  ネタバレを多分に含むのでご注意ください。

  ゲームクリアしてエンディングを見ると、いくつかの新要素が追加されます。今回は主にそれらの紹介です。

狂気の名は伊達じゃない

 まずは難易度ルナティック。いわゆるハードモードなわけですが、その内容はというと……。

  • 敵と敵の弾の速度が約2倍に
  • 一部ボスの技の弾数が増加
  • ボスの耐久力アップ(これもおそらく2倍)
  • ダメージを受けるとトレースをすべて失う*1(「蓄積トレース」ではありません)
  • ラスボス第1形態の行動パターンが増えて極悪な強さに

 最もきついのはやはり、1度のダメージでトレースがゼロになってしまうことですね。インストールが著しく遅れるわ、テクニカルスキルが使えなくなるわで立て直しが困難になります。とりわけボス戦では、テクニカルスキルを撃とうとした直前にダメージを受けて不発に終わり、そのままガタガタと崩されていく……なんてことも。

 

 最終ステージのボスラッシュは、テクニカルスキルを使わずともダメージを受けずに済むボスから戦ってインストールを進めないとクリア困難です。ソラアルを最初にしている人が多い気がします。それとHPが高くなっている割に序盤は攻撃パターンが少ないので、こっちが弱いうちは少々ダレますね……。

 

 ラスボス以外で特筆すべき強化を遂げているのはストイです。HPが黄色になってから繰り出す風の渦での吸い込みとアッパートルネードのコンボが強力で、純色のシェガーでSPEEDの最大値を上げていないと回避が難しい。最後に解禁する小竜巻飛ばしも、運が悪いと弱点武器でかき消さないと被弾必至の密度になるし。

 

 そのラスボスなんですが、暫くの間は「勝たせる気あるのかこれ!」と思ってしまった程に第1形態が凶悪化しています。ソードレインによる移動封じと自機狙い弾が連なった鎖による攻撃は、チマチマ動かないとぶつかります。当たり判定がほとんど見た目通りなんですよ。

 

 さて追加された行動というのはダッシュによる高速移動です。このゲームではボスに直接触れても普段はダメージを受けないませんが、しょっちゅう位置を変えるせいでパターン化しての回避が難しくなっています。それでも、まだまだほんの小手調べでしかない。

 

 ……HPが黄色になってからが本当の地獄です。ジズーに向けてとても小さな弾を撃つオプションを自分のすぐ側に召喚してきます。そしてこれ自体に触れてもダメージを受けるんですよね。

 要するに、オプションを纏ったままダッシュで動きまわるんですよね。前半からの攻撃に加えて、ですよ? どうやって避けろっていうんですかこんなの! 下手にジャンプすれば鎖に、飛び越し損ねれば剣に、地上にいればオプションに衝突します。

 

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 ここまできたら後はもう攻撃を優先してとっとと終わらせてしまったほうがいいと思います。HPが赤くなると撃つチャージショットはむしろ攻撃チャンス。

 

 第2形態は呼び出すザコや弾数が増えてはいますが、浮遊結晶が4体になっていることと、最後に画面4隅にムーンジャッカルを召喚することを除けばさほどでもないです。むしろ負けたらあの第1形態からやり直しになるというプレッシャーが真の敵です。

姫娘、がんばる

 そのラスボスのリーバですが、ジズーでエンディングを迎えると次回以降のNEW GAMEで自機として選択できるようになります。

 基本性能はジズーと異なっていて、チャージショットとダッシュが可能です。その代わり射程距離は短く、滑空もできません。ちなみにテクニカルスキルは全く同じ。

 インストール項目もSPEED以外*2別物で、ショットの列数が増えない代わりに射程が延びたり、一定時間チャージショットが撃ち放題になったりします。

 

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 2周目以降のプレイヤーキャラだけあり、ジズーと比べると上級者向けの性能になっているというかぶっちゃけ弱いです。

 通常攻撃のコバルトファイアの射程はインストールを1回もしていないと驚くくらいに短い。

 そういうわけなので、ジズー以上にインストールが重要となっています。最大まで強化すれば画面端まで届くので、純色のシェガーも集めておきたいところ。

 

 「でもその代わりチャージショットで大ダメージを与えられるんでしょ?」と思うことでしょう。それは勿論その通り、でもそれが有用かどうかはまた別問題。ボス戦ならともかく道中ではいまひとつ活かしにくい。

 というのも、HPの高いザコ敵がそんなに多くないんですよ。いくら堅いと言っても連写すれば1秒もかからず倒せる程度だったりしますしね。一番タフネスなダークサイドフェニックスにはインストールが不十分だと攻撃が届かないという……。

 ジズーだと厄介だけどリーバだと楽だった場面はベルファ島のカニーンを倒すとき位だった気がします。こいつは一撃で倒せばカウンターしてきません。

 

 十字キーの左右を2連続で押すと、ルナティックのボス戦でプレイヤーを泣かせた高速移動ができるんですが、自機になると使いにくさで再び泣くことになりました。確かに速いですよ、速すぎるんですよ。しかも暴発させることもしばしばありました*3

 コースの構成を完璧に頭に入れていればタイム短縮に大助かりなのかもしれません。こればかりは上級者向けとして割り切るしかないのかも。

 ジズーさんに「人間よ、強さとはこういうものだ!」と言われたのにも納得がいってしまいますわ……。

 

 ボス戦はというと、接近できるか否かで難易度が大きく変動します。パペルネやソラやアルやヴェーリーは比較的攻略しやすく、逆にクリンスィーやストイやブラッドはジズー編よりも難しかったです。

 戦闘前の会話はもちろん変更されています。身分が身分なのでだいたい高圧的です。パペルネへの言葉はかなり酷いというか、普通に悪人ですよあなた。

 

 ラスボスは鏡の中から出てきたもうひとりのリーバ……ではなく、今作の主人公のジズーです。で、これがものすごく強い。

 第1形態はどうってことない、というかインストールのために弱く設定されているのでしょう。本番となる第2形態ではこれまでのボスが使ってきた技を複合して使ってきます。とんでもなく体力が高いので長期戦は覚悟です。

 

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 とりわけえげつないのが、画面内を跳ねまわるバウンドリングと自機を取り囲むダイアミサイルを組み合わせるフェイズ。下手に動くとぶつかりやすい技と、動き続けないとぶつかる技のコンボは恐ろしく避けにくい。ブロッキングでリングを消すのも狙っていきたいくらいです。

 ちなみにこれらの技のオリジナルであるクリンスィーブラッドは同級生。コンビネーションが抜群なのにも納得がいくようないかないような。再現しているのは魔神だし……。

GAMBLE&SHOPPING

 ゲームをクリアしたりPLAYING LEVELを取得したりすると、シェガーの欠片が入手できます。SYEGA SHOPはこれを用いて様々な特典を手に入れる場所です。

 戦績閲覧、モンスターやボスの図鑑、サウンドテストといったものから、プレイを楽にするライフアップや初期トレース追加、無敵時間やジャンプ力のアップなど色々そろっています。

 ゲーム内でザコ敵の名前を知るこができるのは嬉しいです。攻略本にしか載っていないアクションゲームって結構多いので……。ところで紫ぶよぶよ緑色なのはキャラ名とグラフィックのどちらのミスなんでしょう。

 

 前回の記事で書いた通り優良なBGMが多いので、サウンドテストが比較的安価で解禁できるのは助かりました。ちなみにサントラも発売中です。

 地道に周回プレイで集める他にも、ポーカーで増やすこともできます、というかこっちの方が圧倒的に楽。1人で延々と役を揃え続けるだけなので心理的な駆け引きはなく、ワンペアが揃えばとりあえず負けにはなりません。初手でワンペアがあったらそれを残し、ツーペアスリーカードでちまちま稼ぎつつフラッシュやフルハウスが来るのを待つのが確実です。

 

 最大で10しかベットできないので5000稼ぐとなると流石に時間がかかります。ローリスク・ローリターンたまにハイリターン。一発勝負という割には堅実ですね……。BGMは自由に変えられるので、好きな曲を聞きながらまったりカードをいじりましょう。

PLAYING LEVELをコンプリートして

 散々書いてきた通り、このゲームは基本的に難しめです。それのハードモードや弱い別キャラでの攻略となれば、クリアのハードルは高いに決まっています。特にリーバ編のルナティックはきつかった……。

 

 ただそれでも嫌になって投げ出さなかったのは、所々で上達がハッキリと実感できたからかなと。

 1ステージも全ステージのボリュームもそこまで多くはなく、高難易度でクリアしたり、PLAYING LEVELを埋めたり、場合によってはシェガーの欠片を稼いだりするのに同じ箇所を何度も通ることになります。そうすると時折、ふと思うんですよ。「そういや前はここで苦戦したなあ」と。これはつまり、今はある程度楽にクリアできるということなんですよね。

 

 ボスの攻撃はどれも初見ではかわすのが難しく、1回で勝つのは道中での消耗もあって困難です。しかし殆どの攻撃には安定した回避方法が存在し、それを見極めればノーダメージ撃破も可能となります。あるボスに至っては、ピッタリくっついていれば全然ダメージを受けなかったりするし……。

 

 このゲームはおまけ要素開放や高難易度クリアのために何度もプレイすることを前提とした作りになっています。そしてかつて苦労したエリアを通る度に、上手くなったなと自信を覚えられるようになっている。だいたい前回の記事の繰り返しになりますけれど、ステージの構成も数も長さもボスの攻撃パターンも複数回のプレイを苦としないように設計されていて、更にPLAYING LEVELのおかげで何度もクリアを目指したくなるようにできている。

 

 更にゲームシステム上、プレイヤーが上手くなればキャラのパワーアップも早くなります。このシンクロ具合が心地よい。そして何度も遊ぶおかげで体験しやすい。プレイヤーの成長はキャラの成長、キャラの成長はプレイヤーの成長。

 飛び越えたハードルが高ければ高いほど得られる達成感も大きくなります。それが難しいゲームの醍醐味です。強くなったジズーやリーバで強く感じたボスを倒したとき、喜びはとても大きなものとなるでしょう。

 

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 以上が魔神少女の感想となります。繰り返しプレイするための作りこみが、お値段400円とは思えないほどに細かい、ちょい辛口アクションゲームです。

 読んでくださった皆様ありがとうございます。

魔神少女 オリジナルサウンドトラック&設定資料

魔神少女 (オリジナルサウンドトラック) デジタルミュージック

魔神少女 オフィシャルアートブック

魔神少女オフィシャルアンソロジー

続編も出ています

tsukimajiro.hatenablog.com

*1:ノーマルでは半減

*2:純色のシェガーをコンプリートすると幻夢の森で手に入る隠し項目は同じ

*3:自分の好きなカービィシリーズのダッシュとコマンドが同じせいかもしれない