クレセント クローゼット

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タッチ!カービィ スーパーレインボー アレンジBGM感想 後編

前編はこちら

タッチ!カービィ スーパーレインボー アレンジBGM感想 前編 - クレセント クローゼット

 やっぱりネタバレ注意です。

 

 

 

 

 

 

19.初心者の部屋(星のカービィ スーパーデラックス

 なやみのないやつと言われてムッとしたスパデラのカービィだけど、近年のカービィだったら言葉の意味をあまり理解できなさそうな気もする……。

 曲の方はというと、カービィとしては相当に異質ですね。ステージBGMにはできなさそうなやつです。サウンドテストでしか聞けないから思いっきり崩したのかな。伸びをしているようなメインメロディの音色が耳に残りますね。

20.森ステージ(星のカービィ 夢の泉の物語

 ゆったりとした曲調がキャベッジキャバーンを彷彿させますね。怪しげなムードの中で、アクセントをつけるかのように鳴らされるアコースティックギターが気持ちいいです。ジメジメした森のキノコの群集地帯に似合うと思います。

21.山ステージ(星のカービィ 夢の泉の物語

  ハイキングで陽気に歌っているかのごとき一曲です。山の頂で大空を見上げているような開放感に溢れています。狭苦しさを排除し、楽しい山登りを曲全体で奏でているのが素敵です。

22.クーのテーマ(星のカービィ2

  実は本編でもアレンジされているので、2バージョンも制作されていることになります。あちら(砂の上に進むために)は笛による寂しげなものでしたが、一方こちらは最終決戦直前の道中で使われていてもおかしくない程に勇ましいものです。後半にメロディを奏でる金管楽器の力強さに心を揺さぶられます。

23.バブリークラウズ(星のカービィ

  昔ながらのカービィらしい可愛らしさをもつ主旋律と、後ろから流れてくるやや新しい感じの音が不思議と交わっていて面白いですね。定番のBGMですが、こういったアレンジも出来るんだなあと思わされました。実は「グリーングリーンズ」並に遊びやすいのかも。

24.ビッグフォレスト(星のカービィ2

  これもかなりマニアックな選曲、というか初めてのアレンジですね。薄暗い森を表現した夢の泉の森ステージとは趣向が大きく異なり、楽しく朗らかな明るい森の曲となっています。わくわく感と一緒にちょっぴり感傷的な響きを覚えるのは、いわゆる思い出補正のせいでしょうか。これに続いてクラウディパークやダークキャッスルもアレンジされないかな。

3月9日追記

 クラウディパークは20周年スペシャルコレクションでキャッスルロロロとのメドレーでアレンジされていましたね。今度は単独のアレンジがステージ曲で使われるといいな。

25.リベンジ オブ エネミー(星のカービィ トリプルデラックス

  憎悪や怒りのこもったかのように暗く激しいシリアスな曲でしたが、かなりオシャレでクールになっていますね。とりわけピアノの調べが素敵。まさかまさかの再登場を果たしたダークメタナイトには、こちらの方が合っていると思います。オリジナルがメタナイトですしね。

 「空と太陽とワールドツリー」のアレンジである前半は、バックのピアノや「ピポピポ」とした音(電子音?)が寂しげで好みです。続く「グリーングリーンズ」パートでは透き通る高音のメロディをコントラバスが引き立てていて、緊迫した中に華があります。そしてループ直前ではどこか冷たく聞こえるピアノの後に、敵からの猛攻の如くドラムとティンパニが力強く響き、高揚感をもたらす。

 音楽用語にまるで詳しくないのでこういった表現が今の限界ですが、非常に完成度の高いアレンジではないでしょうか。原曲もトリデラのBGMの中でも特に気に入っていたのですが、こちらも大のお気に入りです。

26.カービィメドレー(スパデラ+3+初代)

  スカイハイ→激突!グルメレースサンドキャニオングリーングリーンズ

 ポップでノリがよくてニコニコ動画でも人気のあるステージ曲のメドレーです。だんだんと音が増えていって、陽気な気分にさせられます。サンドキャニオンからグリーングリーンズに移り変わる際の、目覚まし時計のアラームのみたいな音がいい味出しています。他にはグルメレースパートでのティンパニが好きですね。

27.休憩所(星のカービィ スーパーデラックス

  過去作でのアレンジよりも、着飾っている感が強いような気がします。BGMとして作られたそれらに対し、こちらはサウンドテストでの鑑賞専用なので、「できるだけ耳に障らないように」といった意識がそんなに必要なかったのでしょう。それでも聴いていて疲れることのない、心やすらぐおしゃれなものとなっています。「バックグラウンド」の枠を出たことによる変化でしょうか。

28.コース8:雪ステージ(カービィボウル

  なんとカービィボウルからの出典です。本家シリーズとは趣が異なるも、ボウルもまたBGMの人気が高く、私もコース4やコース8の曲が好きなのでこれは嬉しいですね。

 なんとも気品のある風情に満ちているというか、スローテンポが染み入ります。ドラムが洒落ていますね。イントロから優雅な響きをしています。その後も含みのある音でメロディに深みを与えているようです。

 オーロラの輝く夜に氷の上で妖精が踊っている……そんな光景にピッタリですね。

29.メタナイトの逆襲:END(星のカービィ スーパーデラックス

  ここからシリアスな曲が増えてきます。渋さと哀愁に包まれた「友と夕陽と…」のアレンジです。原曲の雰囲気を色濃く残した素直なアレンジですかね。黄昏時のイメージが前面にでていて、やっぱりいいですねえ。

30.ヘビーロブスター(星のカービィ ウルトラスーパーデラックス

 なんといってもまずは荘厳なイントロ。実際はステージボスのテーマ曲なのですが、あたかも神か魔王でも 降臨するかのようなものになっています。コーラスもありとても神秘的。ロブスター料理には出来そうにもない。

 急がないと潰されるという焦燥感よりも、巨大な敵が迫ってくる威圧感を重視したアレンジですね。ヘビーロブスターのあの足音が聞こえてくるかのよう。ボスに追いかけられる強制スクロールがあるからということで作曲されたであろう、1ループの短いシンプルな曲だったのですが、ここまで格好いいものになろうとは。

31.おおきなくちのおばけ(あつめて!カービィ

  どこの曲だと思って調べてみたら……シャドーバイトの存在をすっかり忘れていましたごめんなさい。自己主張が控えめながらもおっかなびっくりな雰囲気作りに貢献していて、なんともあつカビっぽい曲だなーと。ドラムがリズミカルで格好良いですね。

32.こうじょうけんがく(星のカービィ64

  色々な意味で有名なブルブルスターステージ4のBGMです。泣きわめくかのようにエレキギターがかき鳴らされる一方で主旋律に使われている音色から無機質なものが感じ取れ、そのギャップが物悲しさ不気味さを際立てています。Aパートで用いられている鐘の音が、だだっ広いばかりで無人の工場の空虚さを描いているかのようで切ないですね。漂う重厚感の中に透明感溢れる高音が響くというのが、感傷的な気分をもたらしてくれます。

33.月影の帝都セクトラトア*1星のカービィ トリプルデラックス

  ロイヤルロードのステージで用いられる、決戦の序章を飾る曲です。大好きな曲なのでCDを手に入れたときはとても嬉しかったですね。

 ロック風のアレンジとなっています。木管楽器とオルガンで旋律が奏でられる旋律が琴線に触れましたね。セクトラトア兵士による攻撃の嵐を、華麗に駆け抜ける姿が浮かぶようです。エレキギター全開のサビにも痺れます。

 原曲もそうですが、どこか悲哀が混じっているかのように聞こえるのは、女王と従者にまつわる悲劇を知っているからでしょうか……。

34.伝説の戦艦ハルバード星のカービィ 参上!ドロッチェ団

  イントロは「メタナイトの逆襲:戦艦マップ」、以降は「伝説のエアライドマシン」となります。とてもオシャレなジャズ系アレンジですね。笛と鍵盤による、疾走感を残しつつも穏やかな調べが優しく耳を刺激します。何かの間違いでハルバード艦内に喫茶店がオープンしたらそこのBGMに使われるかもしれない。

35.銀河に願いを:SHT(星のカービィ スーパーデラックス

  SHT=Shooting ギャラクティック・ノヴァ内部のBGMです。

 「ギンッ! ギギンッ!」とか「ガンッ! ガガンッ!」とかいう擬音語で表現したい重厚な金属音が特徴ですね。この音が、機械の星の内部に突入するクライマックスの展開らしい緊迫感を見事に演出しています。ノヴァ内部の異様で無機質な気味悪さが、曲から伝わってきますね。

36.CROWNED(星のカービィ Wii

 ブラボー、ブラボー。さすがはHAL研。 よく、ボクのテーマ・・・CROWNEDをアレンジしてクレタネェ。オマケにローアをアイコンにしてもらえテ ホ~ント、カンシャするヨォ。」

 大トリを飾るのは、星のカービィWiiの最終決戦のBGMです。

 ピアノとコーラスによる神聖さに満たされたイントロの後、弾けるかのように最初のメロディへと突入します。これがマホロアソウル誕生を映し出しているみたいで、とても素敵なんですよ。

 原曲のオーケストラとエレキギターを中心とするロックが融け合い、荘厳さと迫力の中に、暴走しているかのような激しさが加わっています。無限の力をもつクラウンそのものへと変貌し、憎悪と執念のままに暴走を続けるマホロアソウルの強大さと凶悪さを示しているといえます。とりわけ中盤に「彼方からの旅人マホロア」が演奏された直後にエレキギターがかき鳴らされるところは、もはやマホロアの意思など残っていないのだと訴えかけるようでお気に入りですね。

 またコーラスが原曲よりも目立って使われていて、主旋律を担当するパートも増えています。これが荘厳さに磨きをかけていて、惚れ惚れするんですよ。特に「カービィ凱旋のテーマ」の1回目では、ギターが鳴り止んでいる中でコーラスがメインメロディを担っており、真に美麗です。それとは別の場所で、ロックを惹きたてるバックとしてコーラスがあるのもいい。

 原曲でも使われていた、サビの終わり付近で鳴る鐘の音ですが、ロックの中だとより際立ちますね。透明感ある音が胸に響き渡り、曲に神秘性をもたらしています。非常に巧みです。

 サビの直前にティンパニが強く打ち鳴らされるのもいいですね。いかにも「ここからが盛り上がるぞ!」と言っているみたい。サビが流れる中でマホロアソウルがスーパー能力を繰り出してくると、曲の盛り上がりと敵の猛ラッシュとが重なって燃えますね。タイムアタックでは論外としても。

 あまり表に立ってはいないピアノですが、要所要所で使われているのが綺麗ですね。「彼方からの旅人マホロア」パートが始まる直前に鳴らされ、そして同パートでちょっとだけ主旋律に参加するところとか、洒落ているなあと思います。そしてサビのコーラスパートでは裏方として流れるように奏でられ、美しさを一層上等なものにしているなあと。

 シリーズでも最上位クラスに派手で苛烈な大技を連発してくるマホロアソウル。しかし暴力性に溢れ禍々しいその姿にも、ときおり美しさを見出だせます。そんなマホロアソウル戦のBGM「CROWNED」が、今作では力強さと美麗さに比重を置いたアレンジになっていると思います。大好きな一曲の、極めて秀逸なアレンジを聴くことができ、たいへん幸せです。

 

 やはりというか、カービィシリーズのBGMは素晴らしいですね。どれもこれも良いのですが、特に気に入ったものを記述します。

7.宇宙エリア

11.リップルフィールド

15.スカイタワー

25.リベンジ オブ エネミー

30.ヘビーロブスター

33.月影の帝都セクトラトア

36.CROWNED

 最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

*1:「つきかげのていと」ではなく「げつえいのていと」とのこと