ウルトラジャンプの入手が遅くなってしまった。もう2週間経ってしまうけど第2階の感想記事です。
[まとめ買い] ローゼンメイデン dolls talk(りぼんマスコットコミックスDIGITAL)
坊ちゃんと薔薇乙女
ここからなら憧れの薔薇乙女も見つかるかもしれないと、坊ちゃんは遥雲閣に通いづめでございます。
展望室からの眺めは正に絶景、ありきたりな光景も幻想の箱庭に早変わり。本の「のど」で中央が隠れてしまうのが惜しい。
そんなお坊ちゃんはお身体があまり丈夫ではありません。休憩室で腰掛け視線を上にやると、そこには。
「水銀灯…か」
誤植かと思ったのは私だけじゃないはずだ。照明器具の方ですね。
そんな杞憂をせせら笑うように舞い降りたるは、黒い天使――。
第一ドール、水銀燈。
2番手は彼女でしたか。バーズ時代もヤンジャン時代も2番目でしたね。*1第二ドールの金糸雀にも舌戦で勝てないし、2という数字に奇妙な縁が生まれつつある。
念願の薔薇乙女と巡りあえ、お坊ちゃんはさぞかしご満悦……かと思いきや。彼が欲するは別の薔薇乙女らしい。想いを述べるときの芝居がかった詩的な台詞は好きですよ。
水銀燈が気持ち悪いと一蹴したのは坊ちゃんの言葉選びなのか、それとも薔薇乙女への執着なのか。
でも蜃気楼とか夢とかの下りもあるし大げさな言い回しは嫌いじゃなさそうだ。
最も注目すべきは水銀燈から語られたこの件でしょう。
「薔薇乙女は八人姉妹であり第0ドールが存在する」
ローゼンメイデン0は第0ドールをめぐる物語、ということなんでしょうか。
あたかも昔からいたかのように第0ドールがレギュラーに加わっていたり、不意に流れた過去回想でしれっと第0ドールがいたり、それでいて次回から第0ドールは影も形もなかったりする、「いつもの8人」展開が待っているのかもな。どっちでもいいけど。
夢の中で出会った少女を探すには、ありふれた光景さえ夢幻の舞台として映る遥雲閣はうってつけ。
力を貸してやると坊ちゃんに述べた水銀燈の一礼が妙に恭しい。何か裏があるんでしょうな。ウサギと似た匂いがする。
ところでめぐも病弱でしたね。身体の弱いお坊ちゃんと水銀燈を絡ませたのは偶然ではないはず。
翠星石と菊
翠星石が薔薇乙女と知った菊は、坊ちゃんと合わせようと話も聞かずダッシュ。声が出るようになってもそそっかしいのは相変わらず。
まあ都合の良いことに留守なんですが。主人が外出中かどうか確認しないとこもおドジというか。
さて物置に翠星石がいたことに坊ちゃんは気がついていたのかどうか。ロマンチストだし「まさか実家の物置にはないだろう」と考えて灯台もと暗しは結構ありそうですな。
翠星石は「薔薇乙女は全部で七姉妹だから探しているのはたぶん自分じゃない」と菊にそう言……ん?
「七姉妹」とそう口にしましたね? あれ、水銀燈は「八人の姉妹」って言ってたのに。
翠星石は記憶が不完全ですが、水銀燈はどうなのか。そもそもどこで目覚めたのか。
存在しないはずの「第0ドール」に水銀燈が出会ってしまったのか、それとも何者かに翠星石が記憶を封印されてしまったのか。謎だらけ。
「翠っぺ」というニックネームまでつけてしまって、菊と翠星石はすっかり仲良くなってる様子。それこそ、坊ちゃんのところに行ってしまわないと知って安堵してしまうくらいに。
尋ね人は薔薇乙女だけではありません。菊の妹であり、遥雲閣の昇降機ガールの華も行方不明になっているとか。
「存在しないはずの」13階に足を踏み入れていましたが……。13階は第0ドールと関係あるよなあ。
もちろん菊も内心では不安でしょうが、心配を表に見せたのは翠星石の方。
「何かしらんけど妹のピンチと聞くとじっとしてられない」とのこと。断片的とはいえ蒼星石との絆は断ち切られていなかった。
そういや蒼星石の退場期間が長かったせいで、この2人が仲良く穏やかに過ごすシーンって原作にはそんなにないんですよね。
東京十二階にはなにかあるとのことで、夜が明けたらいざ遥雲閣に参ることに。
ところで翠星石がキャラメルの空箱を手に持っているんですけど、よほど気に入ったんでしょうか。
遥雲閣に向かうときにも、兵量と称して甘いものを沢山詰め込ませそうな気がしないでもない。
坊ちゃんが夢の中で目にしたのはやっぱり真紅だったよというところで次回へ。
水銀燈が一番会いたいのも真紅でしょうな。だって……大嫌いだし。
そういえば、「不思議の国のアリス」の結末は「この物語はアリスの見ていた夢でした」でした。
「夢の主が目覚めたらみんな消えてしまうということね」
ローゼンメイデンの主要モチーフのひとつが不思議の国のアリスである以上、なにかしら関係ありそうですが……。
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