クレセント クローゼット

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魔神少女 アクションゲームの醍醐味のひとつは周回プレイにあり

公式サイト

魔神少女 -Chronicle 2D ACT- | フライハイワークス

 お値段400円の良作2Dアクションゲームと聞いたので購入しました。結論から言うと、その評判は間違いなく本物です。「これが400円でいいのか?」と言えるほどに挑みがいがある骨太なゲームでした。PLAYING LEVEL(特定の条件を満たすと得られる称号みたいなもの)を全取得したので感想を書いていきます。

 「インストール」と「グロウパート」で成長するアクションゲーム

 ショットやジャンプを駆使して敵を倒したり仕掛けを解いたりしながら進み、最後に待つボスを倒せばステージクリアとなるシンプルな2Dアクションゲームです。難易度はやや高め。攻略する上で重要となるシステムが2つあります。それは「インストール」「グロウパート」、どちらもプレイヤーキャラをパワーアップさせるものです。

 

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 「インストール」は敵を倒すと手に入る「トレース」を消費することでそのステージ内でのみ自機を強化するものです。トレースを集めるごとに上画面左下の「強化スロット」が溜まっていき、ゲージが点滅したときにAボタンを押す*1と、光っている枠の能力が強くなります。SPEEDなら移動速度が上がり、LINEなら基本攻撃である「ライナーショット」の列数が増える、という具合です。

 COMETだけは特殊で、ライナーショット中にこれをインストールすると、ショットが切り替わります。ライナーショットが優秀なのとゲージ消費が大きいのとが理由で、全然使いませんでしたけど……。

 なお各ステージに隠されている「純色のシェガー」を手に入れると各項目のインストール回数の上限が増え、より多くのパワーアップが可能となります。

 

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 「グロウパート」は画面下に表示されている「蓄積トレース」を消費し永続的に自機を強化するもので、こちらはステージ選択画面から行います。ライフを増やしたり、ショットの威力を上げたり、後述するテクニカルスキルを強化したり……と様々なものがあり、必要な蓄積トレース数もやはり異なります。

 先ほどインストールではトレースを消費すると書きましたが、いくらインストールしようと、ミスしようと、ゲームオーバーになろうと、グロウパート以外では蓄積トレースは絶対に減少しません。少々分かりにくいかもしれませんが、インストールで減るのは強化スロットのゲージだけであり、蓄積トレースには影響がないということです。

 敵を倒してトレースを溜めてインストールし、ボス戦までに自機を強くする。ステージ離脱後はグロウパートでライフやショットを強くして次のステージに備える……。これを繰り返していくのが大雑把な流れになります。

 敵の撃破がパワーアップにつながるのは単純明快な気持ちよさがありました。倒したときのSEも心地よい。更にトレースは倒せば自動的に溜まり、わざわざ落としたアイテムを回収したりする必要はないので、「倒す」以外の面倒はありません。強くなればより敵を倒しやすくなる、というポジティブな循環があるのもいいですね。更にステージ選択画面でのグロウパートも、ステージ外での楽しみになっています。

 ですが「インストール」に関して問題点というか、とりわけ初心者に手厳しい面がありまして……。まず、ダメージを受けると強化スロットのゲージが減少してしまいます。当然、インストールは遅れてしまいますよね。そしてより過酷なのは、ミスするとインストールが全てリセットされて最弱状態に戻ってしまうこと。ボス戦の最中であろうと容赦はありません。

 この仕様により、ゲームにまだ慣れていないうちは「ダメージを受けてトレースが減る→インストールが遅れる→弱いままなので敵を倒しにくい→ダメージを受ける」の悪循環に陥りがちです。その末にミスとなり、インストールは全て水の泡……。ちなみに回復アイテムは難易度イージーでしか出現しません。

 しかも後述するテクニカルスキルはこのトレースを消費して繰り出すため、ダメージを受けると使用回数も減ってしまいます。ボス戦では非常に重要なのでこれは痛い。

 アクションゲームで最も被弾やミスが多くなるのは初プレイのときです。当作の醍醐味のひとつ「積極的に敵を倒して強くなり続ける」は、やや高めの難易度もあり、初回プレイでは正直味わいにくいんじゃないかなと思います。先に言っておきますと、このゲームはアクションゲームの苦手な人にはオススメしにくいです。逆に、上達に快感を覚えるのが好きな人でなおかつアクションに慣れているというのであれば、うってつけなはずです。自分が上手くなれば、キャラも強くなる。

 ただし少なくとも難易度ノーマル以下であれば、どのボスも最弱状態から倒せるようになっていますし、上述した通り蓄積トレースはそのままなので、グロウパートでライフを増やすなどしてクリアしやすくすることは可能です。ステージクリアと上手くプレイできた喜びは、なるべく諦めなかった先に待っています。

 なお、インストールはオート、セミオート、マニュアルの3通りから選択可能で、これはゲーム開始時のみならずポーズ画面でいつでも変更可能です。便利ですね。最初はオートやセミオートで忙しさを緩和し、ゲームに慣れたらマニュアルに切り替えて柔軟なプレイをするといいでしょう。

 初見殺しの多い≒上達を味わいやすいステージ構成

 ステージ構成はいずれもよく練られており、テーマとなるギミックやザコはそれぞれ異なっています。それらはステージ序盤で紹介されるので、終盤でいきなりわけわかんないものが出てきて「はあ?」となることはないです。少なくとも、基本6ステージでは。

 また画面外に敵やトラップがある場合、DANGER!!マークで存在を教えてくれるため、飛び降りていきなり攻撃を受けることは起こりにくくなっています。下に敵が居るか否かで迷う時間はもったいないので、嬉しい仕様です。

 概ね段階を追って仕掛けやザコ敵の配置が難しくなっていくのですが、初見殺し色が強いです。とりわけ厄介なのが飛び道具持ちの敵で、まだギリギリ画面の外にいるのにも関わらず、こっちに矢やら銛やら飛ばしてくるやつもいます。

 ライナーショットは射程距離無限なんだし撃ちっぱなしにしてれば余裕余裕……とはいきません。それを見越しているのか、攻撃を受けると反撃してきたり、分裂したりはじけ飛んだりするザコがきっちり配置されています。ただそういう敵は激しく動きまわったりしないので、出現箇所を覚えておくと楽になりましたね。ステージの終盤の方になると、カウンターするザコの後ろに飛び道具持ちがいる、というコンビネーションも見せてきますが。

 強めの敵であってもよく計算されていて、一筋縄ではいかないがストレスばかり与えるほど嫌らしくもない、という塩梅に収まっているのですが、高速でいきなり突っ込んでくるジェットペンギンと強化版のレッドペンギン、カウンターの泡がやたら遠くまで届く上に結構長く画面内に残るカニーンはうっとうしいなと思いました。

 そしてこいつらより更にえげつないのがダークサイドフェニックス。とあるステージの終盤に2体しか出てこない最強ザコです。「自機と間合いをとり続けながら上下に移動しつつ3WAYの火炎弾を発射する」という極めて嫌らしい行動を取ってくる上に、体力が凄く高い。おまけにこいつの出現箇所は足場が狭い。十分にパワーアップしていない場合……例えばミスして最弱になってから再開した場合なんかはにっちもさっちも行かなくなることもあります。というかステージを最初からやり直したほうが早いかもしれません。

 アクションのあまり得意でない人には薦めにくいと書いたのは、初見殺し色が濃くてシビアなザコ配置があちこちでされており、慣れないうちは特に被弾による悪循環が起きやすいというのが大きな理由です。

 ただし裏を返すと、ステージ構成をある程度頭に入れておけばサクサクと攻略しやすいということです。分かんないからダメージを受けまくる場所はやや多めでも、どうすればいいかは分かっているけど被弾しまくる場所は少ない。ステージ開始からボス撃破まで3分を切ることも可能になります。30分前後でのゲームクリアも夢ではないでしょう。そして何より、かつて苦しめられたステージを楽々クリアするというのは非常に気持ちが良い。後述するようにこのゲームには周回プレイを積極的にしたくなるようなおまけ要素があり、それらとの組み合わせは抜群です。1回クリアしたならば、是非もういちどNEW GAMEをプレイしてみてください。

 ちなみにステージに入って少しの間は、(ラストステージを除き)蒼と黒の空間が 広がっています。「場所移動魔法を使った直後は空間が安定していないため」という設定です*2。この演出ですが、トンネルを通って新たな場所に向かっているようでいいですね。特にクリンスィーステージは、BGMのイントロもあって開放感に満ちています。

 誰から攻略する? どの技から覚える?

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 次はボスとテクニカルスキルについて。上のMiiverseの画面がステージ選択画面です。6ステージが表示されていますが、攻略の順番は自由です。ボスの強さや道中の難易度はそれぞれ異なるので、実際に挑んでみて簡単だと判断したものからクリアしていきましょう。察しのいい人はもうお分かりかと思いますが、6つ全部クリアするとワイリーステージ的なものが出現します。

 ボスを倒すとボスの使っていた技をテクニカルスキルとして習得します。トレースを消費して使う特殊な攻撃で、癖の強いものが多いです。私はライナーショットでは狙いにくい敵を撃てるダイアミサイル以外、道中では殆ど使いませんでしたね。というか基本攻撃のライナーショットが射程距離無限で強い。ただし強化したサークルクロンは結構強かったので、グロウパート次第で化ける武器は多そうです。

 ゆるめの会話*3を終えるとボス戦開始です。ザコ敵と同様、こちらも回避方法がわからないとまるで避けられないような攻撃が少なくありません。そして分かってしまえばパターンを作って容易に撃破できるようになるというのもまた然り。初期ライフは4しかなくボスにも被弾後の無敵時間があるのでゴリ押しはほぼ通用しません、ちゃんと回避の仕方を覚えましょう。

 

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 HPが減ってゲージが黄色になると攻撃パターンが追加されるのですが、このときにローテーションが時折ずれるのはノーダメ狙いのときに困りましたね……。特にパペルネは攻撃AとBで楽にかわせる位置が全く異なる上に予備動作が短いので、正直納得いかない被弾も起こりました。

 ピンときた人もいるでしょうが、ボスには弱点とするテクニカルスキルがひとつ存在します。大ダメージを与えられるだけでなく、怯ませたり攻撃を掻き消したりできるので、弱点武器を探るのも重要です。ただしトレースを消費するので、攻撃が激化してから一気に削るのが得策でしょう。

 

 周回プレイを促す実績と収集要素

 「ボスをテクニカルスキルを使わずノーダメージで倒す」「純色のシェガーを全部集める」「45分以内にエンディングを見る」などの条件を満たすとPLAYING LEVELが解放され、キャラクターやステージの設定資料やスタッフのコメントが閲覧できるようになります。

 これが気になるあまり、「次はどんな資料が見れるんだろう」という気持ちになり、モチベーションが上がりましたね。そして前述の通り、仕掛けの解き方かわし方を把握してしまえば楽にステージを攻略できるので、プレイがダレないのも非常に良かったです。ちなみにものによっては難易度イージーでも達成できるようですよ。

 ステージ数は少ないが、周回プレイの楽しさでボリュームが無いとは思わせない。あえて難しいステージから挑むなど、自分なりにプレイ感を変えることもできる。今作には、小さくまとまっているアクションゲームならではの良さが詰まっています。

 ただし、ミスやダメージやプレイ時間がステージを抜けてもカウントされ続けているのはたまにキズでしょうか。まあ、HOMEメニューからゲームを終了するという抜け道があるんですけれど。

 ちなみにこのゲームはオプションがかなり充実していまして、インストールモードだけでなく、キーコンフィグやジャンプモード、カメラのスクロール速度にBGMとSEのボイスの音量まで設定できます。しかもポーズ画面からいつでも呼び出すことができ、「ゲーム全体で適用するか」「このセーブデータだけで適用するか」まで選べます。快適なプレイを手助けしていて、非常にありがたいです。

 愛情を感じるドット絵、そして良作にはやはり良BGMあり

 さて、Miiverseの画像を見ていただければ分かる通り、今作のステージグラフィックはドット絵です。そしてこの作り込みが細かい、というか担当者はドット絵が好きなんでしょうね。ボスは勿論ザコ敵のものまで可愛らしく作られています。背景にも力が入れられていますね。というわけでいくつか貼っていきます。

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 面白いゲームには良いBGMがつきものですが、今作も例外ではありません。お気に入りは「疾走高気圧サンクチュアリ」*4「スリーピングロックンロール」*5「壊すものか、創るものか」*6の3曲です。今作の体験版ではクリンスィーステージが遊べるのですが、ここのBGMが気に入ったのも購入に踏み切った理由のひとつだったりして。サウンドテストはクリアやPLAYING LEVELを解放するともらえる「シェガーの欠片」を使うと引き換えることができます。1回クリアすれば条件は満たせるはず。

 難易度ルナティック、もうひとりのプレイヤーキャラ、シェガーショップなどについても記述したいところですが、だいぶ長くなったのでひとまずここで区切ります。 

 400円という価格の5倍以上は間違いなく楽しめました。歯応えのあるアクションゲームに挑戦して己の上達に喜びを得たい人には特にオススメです。チラリと触れましたけど、体験版もありますよ。プレイヤーが上手くなるとともにキャラクターも強くなる快感を手にしてみてください。

 読んでくださった皆様ありがとうございます。

tsukimajiro.hatenablog.com

*1:キーコンフィグで変更可能

*2:サウンドテストより。覚えてなくてもゲームプレイに支障はありません。

*3:ちなみにフルボイス

*4:天園図書館

*5:黄昏監獄

*6:ラスボス戦